“Index” (2019-)

これまでは撮影行為それ自体よりも、撮影後の編集作業や写真というメディア自体の物質性に着目してきた河野だったが、本作では初めて自身の撮影行為=身体性を中心に据えて作品制作を行った。



「近年、我々をとりまく社会状況は加速度的に変化している。なかでも写真はその在り方がもっとも顕著に変化した領域の一つだ。かつてないほど多くの写真が世界中で撮影され、イメージは秒刻みで共有を繰り返されることで、本来の文脈を飛び越えてあらゆる場所に遍在する。もはや我々がイメージの世界に生きていることをわざわざ暴き出す必要すらないほどである。では現代における写真家の役割とは何か。当然、その言葉の意味や役割も再考されねばならないであろう。我々はイメージの領域に魅了されるあまり、いつの間にか目の前で起こっていることを蔑ろにしていたのではないだろうか。河野は本作でこれまでのアプローチから一転、写真撮影を眼前の風景を凝視する行為、写真をその結果/痕跡として残ったものとして捉え直し、古風とも言えるほどストレートに日々撮影を行った。それらの写真はダイレクトに自宅で印刷、製本され、アーティストブックとしてまとめられた」

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